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★ 難、無謀とも呼べる挑戦者向け
「ウォードの箱」、これがテラリュウムの原型だとも云われています。 透明の容器に覆われた閉鎖的で外界の影響を受けにくい高温多湿の空間、それがテラリュウムです。 そして、コニファー (conifers) は高温多湿が大嫌いなものが多いです。
コニファーを育てるために、撮影スタジオを上回る数万ルクスの照明、低温乾燥を維持するための冷房と除湿装置、 適度の通風を行う扇風機、枝葉を健康に育てるための人口降水装置、光合成を促進させるための炭酸ガス発生装置、 そしてコニファーを入れるための高さ数メートルの容器、これらがそろえばコニファーの理想的テラリウムといえるでしょう。
しかし、これはテラリュウムというより植物研究用の人工気象室です。 ほとんどの人はこれでコニファーを育てたいなどと思わないどころか、不可能に近いでしょう。 これなら、コニファーに不適地以外であれば、屋外で育てたほうがよっぽど美しく育ちます。
つまり、コニファーとテラリュウムはあまり相性がよくありません。 しかし、ほんの少しづつ、コニファーをテラリュウムで楽しむ方法が見つかっていて、試行錯誤されています。 失敗を恐れぬチャレンジャーはコニファーの性質を理解した上で、無謀な挑戦をしてください。
→ コニファー管理の基本 ▲ ガーデン素材 ハイドロカルチャーなど ハイドロ・テラリウム

テラリュウムに使う容器はできるだけ大きくて、開口部が広く、数の多いものを選びます。 コニファーは過湿を嫌うので、テラリュウムの特徴と面白さでもある、レインサイクル (水分の循環) は不適で、 湿気はできるだけ外に放出させたほうが好く、それでも潅水は月に1回程度で十分です。
用土は焼き赤玉土 (良質の硬く焼成されたもの) か発砲煉石 (レカトン、ハイドロボール) など通気性のよいものを使います。 根腐れ防止剤が必要になるほど水を与えてはいけませんが、念のために珪酸白土 (ミリオン) かイオン交換樹脂、炭などを底に少量入れておいてもよいでしょう。 肥料は基本的に与えません。
使用するコニファーは安価で購入できる ローソンヒノキ (C. lawsoniana.shtml) などのヒノキ科のコニファーがよいでしょう。 大切に育てていても突然枯れてしまい、腹立たしくさえ思ってしまうローソンヒノキですが、テラリュウムでは以外に順調に生育し、外で育てたものとはひと味違う色合いなどを見せてくれます。
植え付けは土を洗い流して植え付けることもできますが、コニファーは植え替えが難しく、枯れる確率は高くなるので、 そのまま植え付けるのが安全ですが、根鉢を不織布で包んで植えると土が流出せず、成長もある程度抑えることができます。
置き場所は出来るだけ涼しくて、冷房装置がある部屋が望ましく、容器に直射日光が当たると、容器内の温度が急激に上昇するので避け、 明るい場所で、ディスプレイも兼ねて、照明器具で補助光を当てると好いでしょう。
補助の照明として、30W (60cm) の蛍光灯10本程を間近で当てるくらいの光が良く、 1本でも生育は可能ですが、間延びして枝葉が荒くなるので、できるだけ明るい場所に置くのが好いです。 容器として水槽を使うと、水草育成用の照明器具がそろっているので、扱いやすいでしょう。
→ 管理の基本 置き場所の考察 インドアガーデン、置庭 コニファーを室内に置くポイント
テラリュウムの応用として、多湿の環境を利用して挿し木を行いながら、実用的に楽しめます。 多湿を嫌うコニファーですが、挿し木を行う場合はプラスに働き、発根まで時間が掛かるのが、手入れをあまりしなくていい事になります。 また、配置もしやすく、フラワーアレンジメントのように自由度の高いレイアウトができ、ほかの多湿に耐える植物と一緒にすることができます。
発根は、早いものでも3ヶ月以上掛かるので、その間はできるだけ動かさないようにします。 発根したコニファーは寄せ植えやミニチュアガーデンなどの素材としても使え、ハイドロカルチャーや再びテラリュウムの素材として暫くの間使うことができます。
18・9世紀頃のヨーロッパでの大航海時代に、各国は争うように世界中を探検していた頃、 プラントハンター達が、世界中から採取した珍しい植物などを本国にもち帰るため、植物を船で運ぶ際に海水や乾燥などの外界の影響から守るために考え出されたのが、 イギリスの医師ウォード (Nathaniel B. Ward,1791〜1868) が作り出した、ガラスを使った箱の「ウォードの箱」です。
持ち運びのできる、モバイル温室と言える使われ方のようでした。今でも、小型温室や室内温室をワーディアンケースと呼びます。
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