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年々暑くなる国内の夏ですが、高温多湿を苦手とするコニファーが多い中では、夏を越すことが寒冷地で冬を越すことよりも困難な試練となり、夏の暑さに対する管理が重要度を増しています。 自らは木陰やエアコンのあるところに移動することができないコニファーの気持ちになって、十分な管理を行ってあげましょう。 暑さによる何らかの症状が見えたときには、手遅れになっている可能性が高いのです。
→ データベース ■ コニファーの耐寒性耐暑性別分類表

近年は夏の始めから梅雨がはっきりしない傾向があり、特徴的だった長雨も続かなくなることが多くなっているのに対して、突然的に集中豪雨が発生して多くの被害をもたらすことも多くなり、梅雨明けもはっきりしません。
暑さのピークも8月の上旬から中旬へと替わってきており、毎年残暑が厳しくなっています。 この遅れ気味になるズレの傾向は夏に限らず、四季を通じて起きていますが、これが近年だけの傾向なのか、このまま続くのかはわかりませんが、植物の作業暦もずれ込む可能性があることを十分考慮して、栽培管理に当たる必要があると思われます。
暑さに対する基本的な対策は、風通しを良くすることが最も効果的となります。 「剪定、消毒の方法」のページでも触れているように、風通しを良くすることで、温度と湿度の上昇を抑えることができ、病虫害発生の効果的予防法にもなります。
コニファーが植えられている周りの環境を見直し、整備して十分な風通しを得られるようにしましょう。 また、必要に応じては、コニファー自体も整姿・剪定により、風通しのよい樹形へと作り直す場合もあり、 さらに周辺の環境で照り返しなど、暑さを強めている条件がないか確認し、これらも含めて対策をしなければなりません。
コニファー自体は木陰を作ってくれますが、その分強い日差しを受けて高温条件にさらされていることになり、それを緩和するために、常に風を受けて温度上昇を抑えられる環境が理想的と言えます。
鉢植えの場合には、その移動性を生かして日中の強い日差しを避ける方法もありますが、大きなコニファーでは作業も大変になり、基本的に風通しを確保するのは庭植えと同じです。鉢植えのコニファーで特に気をつけなければならないのは、鉢に当たる直射日光で、照り返しの強いところに置くと、1時間もしないでコニファーを枯らすことになります。
マルチングとは、土壌などを資材などによって覆い、温度上昇または下降などを抑えたり、作物を傷まないようにするなどの効果を得る手法です。 農業などでは化学素材がコストや効率などの面で利用されますが、やはり有機素材の方が効果も高く、ガーデニング (園芸) で用いるには、見た目の点でも優れています。
使用されるものとしては、古くから藁 (ワラ) が用いられてきましたが、現代では入手が困難となってきて、編んだムシロもホームセンターなどで見かけなくなってきています。 最近ではワラに替わる有機資材として、バークチップや製材のオガクズが入手しやすくなっていて、これらは木質素材なので比較的長持ちし、見た目的にも好まれています。
これらの素材を用いて、コニファーの根元や露出した土壌を覆うことで、地温の上昇を抑え、照り返しも和らげる事ができ、鉢植えでは乾燥予防効果もあります。 できれば、周りの露出したコンクリートなども覆った方が効果が高いのですが、ベランダの場合ではスノコを用いたり、後で説明する打ち水による方法を併用してして温度上昇を抑えたりもできます。
バルコニーの鉢植えなど、コンクリートの床から照り返しの強い場合にもバークチップは利用でき、その他、スノコや木質パネルなどの照り返しを抑える物を敷き詰めないと、照り返しが非常にきつくなる場合があります。 壁面からの照り返しを防ぐために、ヨシズやラティスなどで壁面を覆うとさらに温度上昇を抑えられ、室内にも効果が及びます。
温度上昇を抑える効果や見た目の点でも、特に優れているのががグランドカバーです。 基本的には、上で解説したマルチングを、生きた植物で行う方法と考えてもよく、植物によって覆うので、地温の温度上昇抑制効果だけではなく、植物の蒸散活動による冷却効果も付加されます。
グランドカバープランツ (地被植物) を育てるので、予め庭造りの計画とし植栽しなければなりませんが、単純なマルチングとは比較できないぐらいガーデニングとして優れており、グランドカバープランツにコニファーを利用したコニファーガーデンを作ることもできますが、選択する植物によるセンスを問われる難しさもあるといえます。
植物であるグランドカバープランツですが、利用できる応用範囲は広く、マルチングでは覆うことができないコンクリートの塀なども、匍匐系やツル性のグランドカバープランツを這い登らせたり、下垂させることで覆うことができ、鉢植えのコニファーでも鉢自体を覆うことで、鉢に当たる直射日光を防ぐことができ、バルコニーなどでの寄せ鉢やコンテナガーデンでは見た目にも有効で、範囲を広げると生活空間全体を涼しくできます。
打ち水は特に植物を育てていなくても、夏に涼を求めて普通に行われる行為で、即効性もあり、その効果もよく知られるものです。 しかし、これを植物に対して行う場合は、水をまく時間と量を十分に考えてから行わないと、短時間に高温多湿環境を招いて、まったく逆の効果となってしまうことがあります。
コニファーに対して打ち水を行う場合は、コニファーの周りの地表に対して行う場合と、コニファーそのものに対して水をまく場合の二通りあります。 どちらも、打ち水の基本効果としての気化熱を奪う作用で温度を下げるのが狙いではありますが、時間や風、まく量を考慮しないと、コニファーに障害を与える結果になります。
地表に対して行う場合、少しでも風通しさえあれば、あまり気にしないで行え、近くに避けることのできないコンクリートなどの照り返しがあるものに対しても有効ですが、まったくの無風状態で行うと、熱を抱えて蒸散した水分が回りにこもり、コニファーの苦手な高温多湿環境を作ることになってしまい、病害の発生まで招く危険があります。
コニファーに限りませんが、鉢植えの場合も、日中に暑いだろうと、鉢土に水を与えることは絶対に避け、周辺に水を散布します。 日差しの強い日中に水を与えると、熱を持った水分が鉢内にこもり、植物の根の蒸し焼きか煮込みを作る結果になりかねません。
特に注意しなければならないのは、コニファーの頭から水を掛ける場合で、風通しを考慮して、速やかに乾く条件のときに行わなければなりません。 十分な通風を得られないと、コニファーの枝葉が風除けとなって、いつまでも内部に高温多湿環境を作ることになってしまいます。 自然による雨で、数度、このような環境になっていた可能性もあり、最後の決定打として弱ったコニファーを枯らせたり、病害を発生させる行為になる危険性があります。
温度上昇を抑える手段として、強い日照を隔てて温度上昇を抑える日よけは効果的ではありますが、コニファーは樹木で大きくなるので、巨大な日よけを作るのは容易ではなく、幼木や大きくならないドワーフ種に対して、有効な手段と言えます。
計画的に、コニファーの高さを上回り、夏だけ適度に木陰を作る樹木を植える方法もありますが、お互いの生育を理解した樹木の知識と、それを行える十分なスペースの庭も必要となるので、一般的には、小さいコニファーに対して行う方法と考えたほうがよいでしょう。
日よけとする素材は、植物でもガーデニング向け資材でもかまいませんが、注意する点として、日よけによって必要以上に日照や風通しの条件を奪ってしまい、コニファーの生育に悪条件を及ぼさないようにしなくてはなりません。理想としては、昼までの日照を十分に受けることができて、午後の暑い日ざしを適度に遮ることができる条件と言えます。
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